経理って聞いてどうイメージしますか?

営業Aさん
期限に口うるさいし、エビデンスが足りないから売上として認められないとか言う。苦労してとってきたのに、、、
コンサルBさんBさん
必要経費なのにこの経費はなんだ?領収書が足りないから出せとかうるさい!こっちはクライアントとの良好な関係なために会食してるのに。
社長Zさん
社内だけで楽に仕事してるだけなのに、そのうえコスト使うだけのコストセンターが!数字遊びしてんじゃねえよ!お前らも売上あげてこい(怒)!!!

私は経理をメインで行っている時期が一番長いですが、他部署に異動した時にこう言う言葉を聞いたり、陰口で言っているのを目にしました...

最後のは面と向かって言われて結構根に持っていますww これに近い内容が他の管理部職種でも同じように出てきます。どう思うかは皆さんにお任せします!ちなみに腹がたった私は翌月売上(粗利では他の営業マン以上の数字)を受注しましたけど、社長は無反応でした。なんでやねん。。。

ちょっと脱線しましたが、経理がどのような役割を持っているかを大まかに書いて今後のブログにも繋げていければと思っています。他にもシステム、法務、企画、営業事務など書いていきます。(それぞれのスペシャリストではないですが、全部経験しているので最低限のことは書けます。あと総務についてはどう付加価値を出すべきなのか今試行錯誤中なのである程度、自分の中の答えが出たら書きます。)

今回も最初に結論を書きます。

  • 財務諸表から現在の状態を把握して、リスク管理を行う
  • エビデンスを集めること=係争に備える防衛役割
  • 社内独自の指数を作って改善点をピックアップする

これは会社においても個人の家計においても同じです。どちらの話も混ぜながら書いていきます。最後までお付き合い頂けると幸いです!

皆さんの資産、パッと言えますか?

これをパッと言える方、かつ漏れなく言える方って少ないんじゃないでしょうか?あなたはどうです?

考え方としては下記です。

  1. 預金資産(銀行口座に預けているお金)
  2. 金融資産(個別株やEFT、投資信託、金・プラチナ、終身保険、ビットコインなど)
  3. 不動産(土地や持ち家、賃貸投資用のアパートなど)
  4. その他(車、家電といったお金に変えられものなど)

多くの人が最初に1、2の金額だけで答えてしまうのではないかな、と思います。(細かく書くと勘定科目の話までしたくなるのでざっくり書いています。)

経理の考えとしては、「固定資産」「流動資産」「繰延資産」の3つで考えますが、個人の場合は「固定資産」「流動資産」を考えられれば大丈夫です。また売掛金や未収入金といった項目を書いていませんが、これは一般向けにわかりにくいかな?と思って省いています。また4のその他は売買することができるので資産に含めて大丈夫です。ただ現在の価値を見極めるのが非常に大変なので、中古販売会社などで調べて価値を算定するのが良いと思います。

上記4点が資産です!みたいな書き方しましたが、上であげた4点意外に下記負債を考えて資産と純資産をしっかり答えられた方いますかね?

その方には釈迦に説法なので、何か書いてるなくらいに笑って見てくださいw

  1. 生活費(賃貸なら家賃や、スマホの支払いなど日々支払っているものをイメージしてください)
  2. ローン(住宅ローンや奨学金だと覚えのある方も多いのではないでしょうか?)

「そうだよね、当たり前だよね」って思うことかもしれませんが、この数字を正確に把握することが経理の大前提の仕事です。ただこの当たり前のことを正確にやるのが大変なので、「会計士」「税理士」と言った専門職のスペシャリストが数多くいる仕事です。またこちらの負債も買掛金や未払金といった項目も必要ですが省いています。

「資産<負債」なら企業なら赤字の状態で、個人なら借金して生活してる、または貯蓄を切り崩して生活している状態です。

ここで書いたのは、目に見えるお金だけが資産じゃないよ、円で見えるものだけが資産じゃないよ、ってことを知って欲しくて書きました。

今日は給料日だから飲みに行こうよ!
給料日がきたら今度の旅行代払うから、ちょっと待ってね。

こんなこと言っている方周りにいませんか?

多分いらっしゃると思うのですが、この会話をしている時点で手元のお金しか見ていない可能性が高いので資産が把握できていない人が多いです。(ちゃんと管理している方もいますが少数だと思います。)あるだけお金を使ってしまうと、もしかしたらその飲み代は家賃代かもしれませんし、もしかしたら将来の結婚資金などかもしれません。

なので、手元にあるからその分使おうとするのは危険、というかいずれ破産します。

そうならないように企業に属する経理は売掛金や買掛金などを使って将来入ってくるであろう資産や必要に負債などを把握して財務状態を見ています。家計の場合は夫婦で今月の給料はいくらくらいの予定だから、と家計を設計する状態が経理業務と思ってください。

そういった把握がない状態で「今後は毎月8万円投資するぞ!」と宣言する前にちょっと一度振り返って欲しいです。

「適正なリスクなの?」「預金が不足したりしない?」「将来子供が生まれた時の余裕はあるかな?」などの把握をしないで実行すると大抵挫折して失敗します。ようは途中で、資産と負債で負債が多い債務超過になっちゃうからです。投資でも日々の生活でも大事なのは継続することですから、まずは足元を見直してから投資や改善を行ってください。過度な節約は幸せにならないと私は思っているので、できる範囲でやっていきましょう。

是非皆さんに一度自分の資産を振り返って把握して見て欲しいです。最近はクレジット連携で家計簿を作成してくれるものもあるのでそこから日々のPL(損益計算書)を作って、BS(貸借対照表)に家庭なら四半期に1回くらい組み込むのがお勧めです。企業はもちろん毎月締めてくださいねww

エビデンスがないと正当な請求が通らないことも、、、

経理は管理部の中でも特にエビデンスにうるさい部署だと思います。これには理由があります。先ほど書いた資産の中で、現金化がすぐできる流動資産の中に売掛金というものがあります。

「サービス先に提供するので後でお金払ってね。約束だよ!」

イメージとしては上記のような感じです。個人で考えると給与も似たような考えができますね。「今月しっかり働いたので来月末までにちゃんと払ってくださいね」という雇用契約書を皆さん締結して働いていると思いますので、ここをイメージするのが一番簡単です。

経理がエビデンス、エビデンス、エビ......

とうるさくなるのはここを確実に回収するためです。例えば先方が支払ってくれない時にヒアリングにいって「え、そんなサービスうち受けたっけ?」「成果出てないんだから払わない!」とか言われることがたまにあります。

こういう時に先方と言った言わないの話をすると水掛け論になって、話が進まないことが往々にしてあります。(ほとんどの企業や人は「ああそれ忘れてた、ごめんすぐ払うね」と言ってくれますが、そうじゃない場合のことを想像して欲しいです。)

この時にあなたはどうしますか?

  • 断固払ってくれるまで毎日きます!
  • 回収難しいから上司に相談して諦めよう...

皆さんこうなっちゃダメですよ。別でまた書きますが、100万の未回収が発生すると新たに500万の売上を受注してトントンだったり、もしかしたら損のままなことがあります。何もしてないのにお金くださいと言い続けるのはダメですが、正当な対価を提供している場合は絶対に回収しましょう。また毎日回収に往訪するってコストをきちんと把握できていない人にありがちな行動なんですが、その時間で他の売上あげられるかもしれない機会損失がありますし、目に見えない人件費や間接コストがかかっているので、こんなことに時間を使い続けてはダメです。行動する=何かしらのコストを費っています。なので毎日伺うのは回収できない分はコストを費って回収という考えなので粗利がどんどん悪化します。

ちなみに私が経理時代に担当だった会社(親会社+子会社1社)は、私が在籍中、焦付き(売掛金が回収できないこと)が0件。今いる部署も0件でここ数年は1件も発生させていません。(ただ減額は2件あります。これは私の痛恨のミスだったのでどこかで書きたいと思っています。)

昔の同僚
なんで全額回収できてるの?秘訣何かある?

こんな質問をもらうこともあるのですが、シンプルにエビデンスがあるから順序立てて先方に説明ができるので、回収できているだけなので秘訣も何も無いんですww

強いて言えば「当たり前に当たり前のことを地道にやる」ことが秘訣でしょうか。

エビデンスをいちいち集めるのが大変なのも、本質的に売上拡大の行動にならないことも、経理の皆は知っています。ただそれ以上に売掛金が回収できないことのリスクを知っているが故に、絶対に回収できる体制を整えておくために口うるさいんです。

これは個人でもそうです。キャンプなどに行った時に自分が立て替えたことや、誰かに立て替えてもらった経験がありませんか?これは個人個人で毎回割り勘すると大変なので自然に行っていると思います。

私は結構こういう幹事をすることが多い(というか参加すると毎回勝手に会計を任せられますw)のですが、このプライベートの精算でも揉めたことが無いです。

最初は私だけが払うことにして領収書を毎回きちんと集めていたのですが、別行動などで立て替えられないことがありました。そこからあんまり財布を一箇所にするのはあんまり効率的じゃないなと思って、LINEグループに「なんか買ったらレシート写メってね。領収書もらえない時は値札でいいから写メっておいてね」そうやって毎回キャンプをしていますが、これで揉めたことが無いです。

エビデンスとして写メがありますし、誰が払ったかはアップした人を見ればわかるので最後の収支表を送ったときに参加者が納得しないわけがないんです。これが口頭や「あれ払ってて確か1万くらいした」みたいな話が精算時に急に出たら揉めます。皆さんそう言われて「OK」と言えますか?

エビデンスは自身を守るだけじゃなくて関係性を守るためにも必要なものなので、意識して動いて見て頂けると幸いです。ただここは会計の知識だけでなく、法務の知識もある程度ないと失敗するので法務も勉強してみてください。

独自の指数から改善点をピックアップする

ここが経理の楽しい仕事ですww 会社によってはここを企画が行っている場合もあります。

数字集めや証票集めをしっかり行うだけだと経理の仕事としては生きた数字を触れてないと私は思っています。もちろん正確な数字を集めることは経理の大前提の仕事なので、次のステップくらいに考えてください。

数字の集計とかを一生懸命集めても、経営陣が求めている数字では無いことがたまにあります。

  • 部門ごとの収益
  • セグメントごとに収益
  • 販管費の内訳推移
  • 支社ごとの成績などなど...

上はわかりやすく求められることが多いのを書きましたが、たまに変な指標(各部署の消耗品の内訳など)を集めてくれと言われることもありますww

ただ、この数字を集計するために勘定科目だけだと不十分で、補助科目や部門など様々なことを考えながら日々の仕訳を計上したり、変換用のファイルを用意したり、他の集計データとの突合などを行います。勘定科目だけだと集計できないデータが意外と多いんです。

無駄なコストが発生していないか?利益が大幅に増加する見込みだから税金多く払うよりも将来予定していた投資を前倒ししよう、など色々なことを提案します。私のメインはコストカットと指標の策定と事業目標の修正などです。これが楽しいから経理の仕事は楽しいんです。特に事業計画に関われると短期だけじゃなく長期的に会社の業績が気になって、日々頑張ろうと思えます。

これは家計でも同じです。お金が貯まらない、キャッシュが不足したみたいなことにならないためにまとめた数字から何を改善するかを皆さん考えると思います。

もしかしたら「スマホを格安SIMに変えよう」「娯楽費の支出を毎週1回じゃなくて月2回に減らそう」といったマイナーチェンジを実行されるかもしれませんし、はたまた「賃料を減らすために引っ越そう」と大掛かりな改善策に出るかもしれません。(引っ越しは他に初期費用や退去費用など様々かかり、なおかつ金額が小さくないので慎重に検討してみてください。)

ただこれを判断する時にはやはり資産が明確に理解できていないと本当に改善策として合っているのかわかりません。引っ越しにしても現在が8万円で7万円の物件に引っ越そうとするよりも、もしかしたら売上(収入アップ)にエネルギーを使うべきかもしれませんし、パートナーがわけわからん交際費にしているからお小遣いを減らしたほうがいいかもしれませんwww

なぜ純資産が増えないのか、今の回転率はどの程度なのか、粗利を悪くしている原価は何があるのかなどを考えないで行動すると求めていた結果が得られず、「集計しても意味ないからやらない」「もう改善しても意味ない」など思うかもしれません。なので、最初に書いた資産を明確に把握できるようになってから改善策を立ててください。なので独自の指標から次の行動を示す羅針盤的な動きは経理の中でも次のステップにしています。基礎ができてない状態で応用してもトンチンカンな施策しか言ってこないですからね。

せっかく頑張って行動するなら結果が出ないと楽しく無いですよね。その行動を無駄なものにしないためにも原因と対策は意味あるものをたてましょう!

このように経理の仕事は正確に数字を算出して「現状の把握とリスク許容度の測定」を行い、エビデンスをしっかり集めることで「余計な負債を追わない防衛」の準備を行い、今後の行動をどうしていくのか「指針となる指標を出して改善していく」仕事です。

某海賊団の有名な美人航海士の方を皆さんご存知だと思いますが、あの人がいないといくら船長や副船長が強くても旅は継続できないんでよね。闘いと関係ない遭難で食料不足で倒れるかもしれませんww そういう意味で経理はこの資本主義社会の羅針盤を作って、先読みをする航海士のような人達なんです。

ただこれは営業マンや事業部が個人個人でやろうとしてもある程度同じように集計できるのですが、効率的には全体集計した方がいい、ということもあって経理がどの会社にもいると思います。あとは税務署や上場企業なら開示作業といった外部向けの指標を作るのも役割です。

実際、事業部で独自に集計して、事業部だけで改善策をどんどん実行している部署も見たことがあります。ただこれはやれる人(集計と分析をできる人)が事業部にいないとできないのと、経理の最終数字とズレが無いかのチェックも必要になってくるので、作業コストが高くなるので、やはり経理に頼むのが良いかなと思っています。

事業部の数字が経理の数字と違ったり、毎週数字を集計するために毎週8時間の事務作業時間を費っていた事業部長は、役員陣にすごい叱咤されていました。それを見て、うちみたいに「誤差1割くらいでいいから毎週1時間で数字くれない?代わりにエビデンスチェックは事業部でやって漏れがないようにしておくから」って依頼しておけば良かったのにと本当に言ってあげたかったです。

まとめ

経理は財務諸表を作ることで、今の状態を把握する仕事。この把握ができないとリスク許容度を超えた施策をしてしまう。例えば毎月8万円の投資が無理のない投資なのかを判断するために必要な諸表を作る。将来必要になる子育て資金を算出して貯蓄の金額を算出するなどです。

正当な報酬をもらうためにエビデンスが必要な場面があり、エビデンスがないと正当な権利を主張できないかもしれないので、エビデンスは重要。だから経理はエビデンスを出せとうるさい(ここは自覚ありますw)。

集まった数字から改善するために何をするべきなのか各財務諸表だけでなく、独自の指標も作って改善点を見つけやすくする。改善推移をモニタリングしていく。

以上が経理の大まかな役割です。個人個人の家計で経理を雇うことはできないと思うので、家庭における経理に自分がなって、より良い行動ができるようにしていきましょう!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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